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医療コラム

NSTにおける管理栄養士と薬剤師の連携

医療法人 前橋北病院 山岡和幸

 NST(栄養サポートチーム)の考え方が全国に広まり、チーム医療が叫ばれる今日、管理栄養士と薬剤師の連携の重要性を訴えたい。まず、この2職種を挙げれば「食品と薬の相互作用が重要である」と大部分の人が答えるだろう。しかし、重要なことはさらにある。「食品と薬の相互作用」も大切だが、肝代謝酵素やトランスポーターを理解した上で、この2職種が連携すれば、幅広い治療の選択肢が考えられる。


様々なケースで求められている連携

 例えぱ便秘洽療であるが、便秘には機能性便秘や器質性便秘、症侯性便秘、薬物性便秘等がある。最も多いと言われている機能性便秘には、直腸性便秘・弛緩吐便秘・痙攣性便秘の3種類がある。病態に応じて薬を使い分ける必要があり、薬剤師は便秘薬の連用耐性化などの問題による処方設計を行う。

 一方、管理栄養士は、薬を使わずに栄養管理指導、さらには、食物繊維やプロバイオティクス、プレバイオティクスを用いて治療への参画ができる。実際に当院では、B.G.S.Powderというプレバイオティクスの食品を用いて、便秘患者の便通改善に大きな効果を上げており、昨今、胃腸薬や便秘薬に合まれる酸化マグネシウム服用による高マグネシウム血症が報告され、世間をにぎわせたことも追い風となっている。もちろん医療費削減にもメリットがある。

 肝硬変の患者では、薬剤師は分岐鎖アミノ酸製剤の内服・点滴静注薬を処方設計する。管理栄養士は、栄養管理指導、さらに、分岐鎖アミノ酸製剤の食品を考えるだろう。どちらが優れているというよりは、選択肢が増え、治療の幅が広がる。

 骨粗鬆症も同様で、カルシウム、ビタミンD製剤を薬剤師が処方設計するのと、管理栄養士が栄養管理指導でカルシウムやビタミンD含有量の多い食事を推奨するのは、同じことである。いや、むしろ薬よりは食事のほうが過剰症のリスクが少ない分、有利であるとする人もいる。

 管理栄養士の栄養管理指導は、病気の治療における必須項目と筆者は考えるが、それには理由がある。


「医食同源」に基づく治療を

 例えば、高血圧患者に減塩指導をしていない、糖尿病患者、高TG血症患者にカロリーコントロール指導をしていない、腎疾患患者に蛋白・水分制限指導をしていない等がある場合、いくら良い治療や薬を使ったとしても、効果はないに等しい。

 ただし、軽症の場合は栄養管理指導のみでもいいが、重症となれぱ薬の必要性が出て、薬剤師の力が必須となる。薬剤師の仕事には薬剤管理指導があり、患者の薬の飲み忘れをなくすなどのアドヒアランスを上げるためにも重要であり、実践しなければならないことの一つである。

 管理栄養士と薬剤師が連携することでこのようなメリットも生まれる。仮に管理栄養士が栄養管理指導をしたとして、患者がどうしても食欲がなく食事をとれない場合、薬剤師に相談すれば食欲を出させる漢方薬などを処方設計する。

 嚥下障害のある患者で食事に困っている場合も、薬剤師は嚥下反射を改善する薬を提案する。また、薬物療法で治療効果が上がらない時は、再度、管理栄養士に栄養管理指導を頼むのも効果的であろう。

 管理栄養士と薬剤師の治療への参画という点で考えると、似ている部分が多い。協力しなければならないし、また、協力すれば大きな力になることであろう。点を線にし、面にしていくための他職種連携の必要性、チーム医療としてのNSTで、連携を取りやすい2職種ではないかと思われる。

 お互いを理解し合い、管理栄養士は薬のことを、薬剤師は栄養管理を学ベば、より良い医療を提供できるであろうし、患者もそれを望んでいるにちがいない。「医食同源」という言葉があるが、医療における薬での治療と、栄養管理が、まさに一体であることを示しているのではないか。こうしたことを考慮し、すべての医療・介護施設において管理栄養士と薬剤師による連携を望みたい。


メディカル朝日(http://www.asahi.com/medical/)2010年3月号に寄稿。
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